手術は骨切り術前に関節鏡視下手術を30分と決め行っています。滑膜切除、半月板シェービング、内または外側半月板縫合術、内または外側半月板後節後根(ルート)損傷縫合術、骨棘切除をしています。

骨棘切除

秋山武徳先生の手術を見学してから、骨棘のできた変形性膝関節症をできるだけ元の膝に戻すように徹底的に骨棘をとるようにしています。

左:手術前膝レントゲン正面像です。右:手術前膝CT像です。ともに白丸で囲まれた部分が骨棘です。

関節鏡視下手術の併用手術前XpとCT

大腿骨内顆内側の骨棘を切除している動画です。

内側半月板をよけ、脛骨内側の骨棘を切除している動画です。半月板が変性摩耗している(進行している)場合にしかできません。

軟骨が摩耗しなくなっている大腿骨・脛骨にマイクロフラクチャーオウルで穴をあけ軟骨再生を促します。

30分鏡視下手術を行った後に、DLO手術を行いました。

関節鏡視下手術の併用手術後Xp

抜釘手術後正面像、関節鏡視下手術で骨棘がきれいにとれました。

関節鏡視下手術の併用抜釘後Xp

マイクロフラクチャーによる軟骨再生促進

現在、高位脛骨骨切り時にドリリング・マイクロフラクチャーを行って、軟骨再生が促進されるというエビデンスはありません。しかし、軟骨再生の評価法にも問題があること、どの例に軟骨再生がされまたされないかがはっきりしていないこと、から可能性のあることは行うべきと考えています。

膝後方関節包内の遊離体摘出

膝周囲骨切り術を行う患者さんの中に、後方関節包内に大きな遊離体を見つけることがよくあります。10年位前までは摘出手術が大変なので経過をみていましたが、少しずつ大きくなるので、今は時間の余裕のある抜釘時に必ず摘出しています。2020年度は、後方関節包内の遊離体を摘出した患者さんが4名いました。左:CT像で赤〇印が遊離体。右:摘出した遊離体。

シェーバーでスペースを作った後、正中から関節鏡を入れ、後方関節包をみながら、内側後方ポータルから鉗子で摘出しました。関節鏡での摘出動画です。