膝周囲骨切り術では、対応できないケースには人工膝関節置換術(TKA:total knee arthroplasty)を行っています。研究者としては膝周囲骨切り術でそれなりに有名になりましたが、私が最も多く行なってきた手術がTKAです。私の行ってきたTKAの平均年齢の統計をとると、82歳とかなり高齢でした。

80歳近くになると両膝ともO脚変形が強い患者さんが多くなります。片側ずつ手術をしていると、片側の手術から反対側の手術をする間、膝が痛くて歩けないこと、短期間の間で2回手術を方が患者さんが体力的に厳しいため、現在は両側を同日に行う手術の方が多くなりました。

​どのような膝に人工膝関節置換術(TKA)を行うか

下図 Grade 4から5 のように、軟骨が摩耗し、さらに骨が摩耗してくると人工膝関節置換術になります。

人工膝関節置換術の適応

73歳女性です。このケースでは片側づつの手術を行いました。

右膝手術前の下肢全長レントゲン正面像で、右膝(レントゲン像では左側になります)は強いO脚変形を示しています。

人工膝関節置換術手術前Xp

両膝手術前の歩行で、両膝とも膝動揺性(荷重をかけると膝がガクッとずれる感覚)とそれに伴う痛みがあります。

感染しないよう、医師・看護師はヘルメットをかぶり人工膝関節置換術を行っています。

人工膝関節置換術手術中ヘルメット

​左:右人工膝関節置換術中、関節の写真です。右膝内側軟骨が消失し、さらに骨まで削れています。右:右のみ人工膝関節が入っています。左膝は右の手術前ほどではないですが、強いO脚変形を示しています。

人工膝関節置換術右手術中写真と手術後Xp

右膝人工膝関節置換術後の歩行です。まだ左膝に動揺性があります。

​左:左人工膝関節置換術中の関節の写真です。左膝内側軟骨が摩耗しています。右:両側人工膝関節が入っています。両膝ともまっすぐになりました。

人工膝関節置換術左手術中写真と両側手術後Xp

両側人工膝関節置換術後の歩行です、何歳か若返ったような歩き方です。